ブーマーと同じように2度の三冠王を獲得した元阪神のランディ・バースも同じだった。バースは実働年数が6年で通算2550打席と実働年数、打席数が少ないことがネックだという人もいる。ただ、それならば津田さんも同じである。 しかし、結局は候補最終年となった2004年の202票が最高得票で、それを最後にプレーヤー部門での候補者資格は喪失した。 「とても平等とは言えず、記者の勉強不足と感情が大きく左右している」 過去に開票に立ち会ったことのあるベテラン記者はこう分析していた。 「基本的に投票パターンは前年の次点候補の得票が伸びるケースがほとんどで、その選手の実績を真剣に検討して、殿堂入りの資格があるかないかを考えて投票しているといえる人はあまりいないように思えます」
それだけでもがっかりだが、加えて個人的な感情で資格云々以前に、最初から「アイツは絶対に殿堂入りさせない」と豪語している記者もいるというのだ。 「バースの場合は阪神在籍の最後は球団首脳との軋轢や病気の長男の取材で担当記者と犬猿の関係となった。退団を巡るいざこざもあって、当時担当していた番記者が多い関西の票がほとんど入らなかったために殿堂入りを果たせなかったのが実情です」 外国人選手と担当記者の間には、日本的な取材とプライバシーの問題で過去には様々な摩擦を生んだのも確かだった。 それを記者が引きずって、殿堂入りやその他の記者投票(現役選手の場合はMVPやベストナインもそういう対象になる)の場で意趣返しをしている――こんなことがあるとしたら、とんでもない話だが、実はこれが記者投票の現実の一面なのである。
— ブーマーはなぜ選ばれなかったのか?殿堂の意義を歪める「感情」と「偏見」。(2/3) - Number Web : ナンバー